ウールを使用しない理由

ウールを使用しない理由

HERではアニマルライツやエシカルの観点から衣服における動物の利用・犠牲を無くす為、動物性素材の使用を控えている。
動物性素材にはファーやレザーはもちろんの事、ウールやシルクも含まれる。
ウールやシルクまでと聞くとヴィーガンではない方からすればやや極端に思われるかもしれない。
今回はアニマルライツの観点からウール素材を使用しない理由を書きたいと思う。
ファーやレザーは動物の犠牲が必ず伴うのに対し、ウールは羊の毛を刈り取って使用するため、必ずしも動物の犠牲を伴っていない。
ではなぜウールの使用を避けるのか。
それは羊の飼育の過程で”ミュールシング”が行われている事を知っていただければご理解いただけると思う。

ミュールシングとは羊の臀部・陰部への蛆虫の寄生を防ぐ為に羊の臀部・陰部の皮膚と肉を切り取る事をいう。ミュールシングは無麻酔で行われ、羊に大変な苦痛を与えている。その後の治療は行われない。
現在は動物愛護団体の活動もあり、ニュージーランドなどミュールシングを廃止している地域もあるが
市場に出回っているウールの中から動物福祉に配慮したウールを見つける事は非常に困難な為、HERではすべてのウールの使用を控えている。

また、こういった羊は、羊毛の生産性を上げる為に皮膚の表面積が広くなるよう品種改良されている。
品種改良により、毛が自然に抜け落ちる事は無くなり、生物としては不自然な形で羊毛を蓄えている為、
人の手無しで生きていく事は非常に困難である。
数年前SNS上で、牧場から逃げ出した羊の画像が話題になったが、
その羊は何年も毛を刈られていない為、大量の羊毛を蓄え異常な大きさに膨れ上がっていた。

これらはすべて人間の都合だけで、効率化や生産性を求めた結果の犠牲であり、
現在でも羊に限らず、品種改良は行われているが
命の形を変えていく事について、倫理的な側面から考える必要がある。

NPO法人アニマルライツセンター
ミュールジング:ウールの残酷性ウール 全てが残酷